さんない温泉

車を運転していてもハンドルを切ると腰に痛みが走るのだけれど、例によって温泉ガイドで効きそうな温泉を物色し、ここへ行って来た。家から車で15分ほど。住宅地の中に何気なくある「ヘルスセンター」だ。入り口にある入浴券(350円)の販売機の新しさが、田舎の旅館みたいな屋内に似合わない。客層は私が最年少。皆、60を過ぎていようという人ばかり。地元の湯治場になっている。浴室は天井が銭湯のように高く、かまぼこ型になっている。近くにある三内丸山遺跡の、縄文人の集会所を思い出した。まずは湯船に入り、端に腰を下ろす。緑色のお湯から硫黄の臭い。いかにも効きそうな予感。身体が温まっていくのを感じる。が、腰には来ない。しばらく腰掛けるうちに暑くなってきたので、塩の結晶で底がジャリジャリする湯船から出て、床に横たわった。他の人がしているように、洗面器を枕にして仰向けになる。背中をお湯が流れていく。高い天井を見ていると周りに人がいることを感じない。土曜の午後に部屋でひとりで寝ているような気分になる。腰がズキズキする。効いてるのかな。分からないけど腰が痛いままに立ち上がり、脱衣所のソファでまた横になる。腰は治らなかったけれど、身体がポカポカしている。すっきりと寝られそうな予感。
帰りに市内のデパートで籐籠、観葉植物、霧吹き、漫画を購入。帰宅したら夜7時。さんない温泉の効能のおかげで不思議に空腹感がなく、何も食べずにすぐ眠りにつく。